鯛と言えば、存在感のある風貌、皮と身が紅白を織りなすこと、そして「おめでたい」の語呂の良さなどから、豊かさの象徴として古来より縁起物として親しまれているのは皆さんも知るところでしょう。
鯛は恵比寿様が持っている魚ですし、大相撲の優勝祝いにもお目見えするほか、子どもが生後100日を迎えた時に祝うお食い初めの慣習など、慶事には欠かせない魚でもあります。
鯛と日本人の結びつきは古く、縄文時代の遺跡からマダイの骨が出土しているほか、鯛に関する記述は古事記や万葉集などにも登場しています。戦国時代には、鯛の堅牢な姿や寿命の長さから縁起の良い魚として大変人気があったのだとか。
海に囲まれ、古くから魚を食べて暮らしてきた日本人にとって、鯛は美味しさと慶びが結びついた魚。今回はそんな鯛の魅力を存分に引き出した丸魚濱食オリジナル「おめで鯛セット」についてご紹介します。
鯛の魅力は何といっても、生の身の歯ごたえの良さと、うま味をたたえた淡泊な味わいに尽きるでしょう。クセや臭みも少なく、頭も食べられることから鯛は料理を選ばない魚です。
とはいえ、鯛をご家庭で丸ごと一匹買い、ゼロから捌いて調理するという機会は時代の流れとともに少なくなっていると感じます。
そこで横浜丸魚(株)では、より食べやすく、ご家庭でも気軽に日本伝統の魚・鯛を楽しんでいただきたいという思いから、鯛を丸ごと1匹捌いた鮮魚活〆の「おめで鯛セット」(画像)を提供する運びとなりました。
おめで鯛セットには、頭、皮つきの半身、皮なしの半身が入っています。
鯛の頭は2つ割りに、ウロコを取って背骨やワタ、ヒレも除いてあるので、面倒な下処理いらず。チルド配送なのでそのまますぐに、お刺身をはじめとしたさまざまな料理にお使いいただけます。
画像は2023年4月20日にFMヨコハマのラジオ番組「Lovely Day♡」に取り上げていただいた時のものですが、使用している鯛の大きさがお分かりいただけますでしょうか?
DJの近藤さや香さんもそのボリュームにとても驚かれていました。
原魚約1.8kgの鯛はボリューム満点です。
おめで鯛セットの「うり」は、ボリューム感はもちろん、なんといっても鮮度の良さ。卸業である当社ならではの目利きの鯛を使い、ご注文をいただいた後に水揚げして、その場で加工し、即時配送いたします。
仕入れから加工・販売まで自社で一括管理。鮮度も美味しさも損なわずに、注文翌日にはご家庭にお届けすることも可能です。
鯛は養殖で有名な愛媛県や三重県などの荷主から、毎日厳選したマダイを活魚で仕入れています。
各生産者とも、素晴らしいマダイを生産していますが、その一つに、白寿真鯛というブランド鯛があります。白寿真鯛は特別に開発された白ごま入りの飼料で育てられるため、高い抗酸化作用のはたらきで甘みや歯ごたえも良く、鮮度も長持ち。
このような安心・安全な環境下で育った養殖のマダイは、ひと昔前のような身の脂っこさや日焼けによる色の黒さはなく、天然物にも引けをとらない魅力があります。近年では味にこだわる活魚料理店も採用するほどですから、養殖技術の進化には驚かされるばかりです。
養殖の技術もさることながら、加工にも鮮度と美味しさを追求するために取り組んでいます。横浜丸魚(株)の加工工場をご紹介していきましょう。
養殖場から輸送する際、ストレスをかけないように大事に運ばれた鯛は、市場内の活け場で生きたまま管理されます。
おめで鯛セットの注文が入ると、鯛は早朝に活け場から水揚げされ、同じ敷地内にある加工工場へと運ばれます。
これまでは場外にあった加工工場ですが、2023年に場内に新工場が竣工し、導線や取り回しの効率もアップ。さらに高い鮮度や生産性を確保することができました。工場には魚をさばく技術を身に付けたスタッフ陣が勢揃い。てきぱきと作業を進めます。
魚をさばくエリアは、下処理を行うゾーン、身をおろしていくゾーン、小骨を抜き刺身用の柵にするゾーンと、工程に合わせて3つの衛生区に分け、衛生管理が徹底された環境で行われます。
下処理を行う工程では、生きている状態で神経締めを行い、血抜きなどの処理をした後にウロコを取り、頭を落とし、ワタや内臓などの余分な部位を取り除きます。
このゾーンには、「水道水」、殺菌作用がある「酸性電解水」、脂を洗い流す「アルカリ電解水」が出る3種類のホースを設置。用途に合わせて水を使い分けることで、作業場はいつも清潔に保たれています。
身をおろす工程では、傷みを抑え、ふくよかな食感を生かすために、機械を使わず一匹ずつ包丁を使って行うほか、包丁を入れる回数や魚を裏返す回数も最小限に留めています。
また、身に水がかかると味が落ちるため、できる限り水がかからないように扱うなど、鮮度と美味しさを保つためのさまざまな配慮を怠りません。
ススーッと滑らかに身を削ぐ様は、さながら解体ショーのようですが、工場では日常の風景。鮮やかな手さばきで次々と鯛が加工されていきます。
仕上げは刺身ゾーンへ。小骨や薄皮を丁寧に除き、刺身用にカット。
素早く、劣化させず、無駄なく仕上げることを常に心がけます。
加工工程が終了すると速やかに真空包装されます。この時に敷かれている吸水紙にもひと工夫。一般的なものではなく、鮮度を保ち、臭みを取ってうま味を閉じ込める特殊加工がされた素材を使って鮮度と味を守ります。
工場ではおめで鯛セット以外にも、ヒラメ・シマアジ・カンパチなども展開するほか、東京湾、相模湾など神奈川県近海の漁港で上がるタチウオ・サバ・アナゴなども取り扱っています。
横浜丸魚(株)の加工技術は量販店や外食業界にもご好評いただき、全国に向けて多くの魚を提供しています。ご家庭でもぜひこの技術の結晶を味わっていただけたら嬉しく思います。
水揚げ直後の高い鮮度とうま味を維持する加工技術でお届けするおめで鯛セット。
美味しさには自信があるので、シンプルな刺身や塩焼きがとても贅沢なご馳走に。料理上級者はもちろん、初心者の方にもおすすめです。
お刺身はもちろん、薄めに切ってオニオンスライスを散らし、オリーブオイル、レモン汁、塩、胡椒を振ってカルパッチョにも。ほんのりとした鯛の甘みと上品な後味、食感をご堪能いただけます。また、炊きたての白飯にお刺身をのせて、だし汁と少々の醤油、お好みでごま油、大葉、わさびを加えた鯛茶漬けも人気です。
スーパーなどではあまり見かけない頭ですが、実はうま味がぎゅっと詰まって主役にも脇役にもなる部位。塩を振って10分ほど置き、洗い流して水気を拭いてから使えば臭みも気になりません。グリルで塩焼きにするのも良し、昆布だしと塩だけを味付けに使った潮汁もおすすめです。炊飯器でお米を炊くときに生姜のせん切りと一緒に炊けば、生姜の香りと鯛のだしがご飯に沁み渡り、美味しくいただけます。
食卓に高級感と幸福感を運んでくれる鯛。ハレの日やおもてなしはもちろん、いつもの食卓にも豊かなひとときをもたらしてくれるでしょう。ぜひ、当社の自信作「おめで鯛セット」をご賞味ください。
今回、おめで鯛セットをご利用いただいた方に、鯛を使ったレシピもお渡ししていますのでご活用ください。
文/六反いづみ 写真/小宮広嗣
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